子宮頸がんワクチン(公費)
令和5年4月1日から川崎市では川崎市民が9価のHPVワクチン(シルガード9)を公費(無料)で接種できるようになりました
シルガード9は貴重かつ高価なワクチンのために、接種予約後のキャンセルには3日前にオンラインまたはご連絡いただきキャンセルしてください。
なぜ脳神経外科医が子宮頸がんワクチン!?
厚生労働省の勧告により子宮頸がんワクチン(ヒトパピローマウィルス感染症予防接種)が今年度より再開となりました。これに合わせて当院では公費(川崎市在住者のみ)による定期予防接種としてのガーダシルとシルガード9による子宮頸がんワクチンを始めました。
なぜ脳神経外科のクリニックが子宮頸がんワクチンを行うのかと疑問に持つかと思いますが、それは私は25年以上前の医学部生時代に自主学習として子宮頸がんとヒトパピローマウィルスをテーマとして研究していたからです。
医学部4年生時のレポート
当時から子宮頸がんがヒトパピローマウィルスと強い関連があると言われていましたが、日本ではワクチンの普及が遅れたために、子宮頸がんが先進国で唯一罹患率が増加しているという実態があります。 子宮頸がんは私の専門外ではありますが、こうした現状を日本の医師として見過ごすわけにはいかないと考え、子宮頸がんワクチンの導入しました。
今回の子宮頸がんワクチン導入にあたり、川崎市医師会の主催するワクチンの講習会とシルガード9のe-ラーニングを受講しました。
ガーダシルとシルガード9の違い
当院で取り扱う子宮頸がんはシルガード9です。
シルガード9は9つのヒトパピローマウィルスの型をカバーします。
シルガード9は子宮頸がんの高リスク型である30番台やアジア人に多い50番台を網羅しています。
シルガード9は川崎市在住者は公費のために無料です。自費の場合は29700円(税込み)です。
ワクチン接種の対象
シルガード9の接種の対象は9歳以上が対象です。
性活動を開始するとヒトパピローマウィルスに感染する可能性が誰にでもありますので、初めての性交渉を持つ前にワクチンを接種することが理想的です。 性交渉の経験がある方は、すでにいずれかの種類のヒトパピローマウィルスに感染している可能性がありますので、ワクチン接種で得られる効果が下がってしまう可能性があります。
川崎市の公費助成対象は
1 対象者
9価ワクチン(シルガード9)の対象者は小学校6年から高校1年生相当の女子です。
また、対象年齢を過ぎた方であっても、平成9(1997)年4月2日以降に生まれた女子は、令和7(2025)年3月31日まで対象となります。
なお、これまでに2価又は4価ワクチンで3回接種を完了した方は、定期接種として9価ワクチンを追加で接種することはできません。
2 接種回数・接種間隔
(1)1回目接種時点で15歳以上の場合
接種回数は3回です。
推奨される接種間隔は1回目から数えて、2回目が2か月目、3回目が6か月目です。
(公費の接種に最低限必要な間隔は、1回目と2回目の間に1か月間、2回目と3回目の間に3か月間空ける必要があります。)
(2)1回目接種時点で15歳未満の場合は
接種回数は2回です。
推奨される接種間隔は6か月間です。
(公費の接種に最低限必要な間隔は、5か月間空ける必要があります。)
キャッチアップ接種
積極的勧奨が差し控えられていたことにより接種の機会を逃した方への救済措置として、公費(無料)による接種機会を提供することとなりました。
・接種日時点で川崎市に住民登録がある、平成9年度生まれ~平成18年度生まれ(誕生日が平成9(1997)年4月2日~平成19(2007)年4月1日)の女性で、過去に子宮頸がん予防ワクチンを合計3回(※)受けていない方。また、救済措置の実施期間中に定期接種の対象から外れる世代である平成19年度生まれの方についても順次救済措置の対象となります。
・平成19年度生まれの方…平成19(2007)年4月2日から平成20(2008)年4月1日生まれの方)
接種が受けられる期間は令和4(2022)年4月~令和7(2025)年3月の3年間、シルガード9を公費で接種できます。
接種の際の注意点
ワクチンは途中で変えることなく必ず同一のものを接種して下さい。また、接種の記録を残すために母子手帳を必ず持参してください。公費で接種される方は川崎市から送付された接種券を持参してください。接種後はクリニックで30分安静とし経過観察する必要があります。
なお、日本ではシルガード9を男性に接種することはできません。
予約の際の中止
シルガード9は貴重かつ高価なワクチンのために、接種予約後のキャンセルには3日前にオンラインまたはご連絡いただきキャンセルしてください。